耐震診断について

耐震診断とは

建物の設計において、地震力に対して安全に設計することを「耐震設計」と言い、その「耐震設計」をするための基準を「耐震基準」と言います。
建築基準法により、それぞれの構法ごと(鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造など)にその「耐震基準」が示されています。
現在の耐震基準は、「新耐震設計基準」と呼ばれているもので、1978年(昭和53年)の宮城県沖地震後耐震設計法が抜本的に見直され、1981年(昭和56年)に大改正されたものです。(参考:木造住宅耐震診断の変遷)
この、新耐震設計基準による建物は、阪神大震災においても被害が少なかったとされており、その耐震基準が概ね妥当であると考えられています。この「新耐震設計基準」が制定された1981年(昭和56年)を境に、「1981年(昭和56年)以前の耐震基準の建物」や「1981年昭和56年以降の新耐震基準による建物」などの表現がされるようになりました。
住宅やビルが地震に対してどの程度被害を受けにくいかといった地震に対する強さ、すなわち「耐震性」の度合を調べるのが「耐震診断」であり、阪神・淡路大震災の教訓をもとに1995年(平成7年)12月25日に「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」が施行されました。この中では現在の新耐震基準を満たさない建築物について積極的に「耐震診断」や改修を進めることとされています。

耐震基準適合証明書とは

簡単に言えば建物が耐震基準を満たしていることを証明する書類のことです。この証明を受けるにはまずは耐震診断が必要となります。耐震診断の結果、建物の上部構造評点という点数を算出し、上部構造評点に応じて4段階で判定され、上部構造評点1.0以上の場合、耐震基準適合証明書の発行が可能になります。
当協会はもちろん、指定性能評価機関などの他、建築士事務所登録を行っている事務所に所属する建築士でも発行いたします。

昭和57年1月以前の住宅取得時に、耐震基準を満たすことを示す「耐震基準適合証明書」を取得することにより、住宅ローン控除などの控除を受けることができるようになります。

発行のメリット

住宅ローン控除制度

住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」というもので、住宅ローン控除(住宅ローン減税)と言われることもあります。自分が住む住宅を住宅ローンを利用して購入した場合に、一定期間にわたって、住宅ローンの残高の一定割合を、所得税から控除してくれるというものです。
耐震基準適合証明書を取得することにより、住宅ローン控除が適用されます。

居住年が平成30年の場合は、10年間で最大400万円の控除を受けることができます。

※住宅ローン控除の最大控除額については、売主が個人の(不動産業者ではない)場合、10年間、最大200万円の控除となります。

 

住宅用家屋の所有権の移転登記などに係る登録免許税の軽減措置

ここで言う、登録免許税とは、土地や住宅を取得すると、自分の権利を明らかにするために登記(所有権移転・抵当権設定)をしますが、この時にかかるのが登録免許税です。
耐震基準適合証明書を所有権移転前に取得することにより、登録免許税の軽減を受けることができます。

 

不動産取得税の軽減措置

不動産取得税とは、不動産を取得した人に課税される税金で、市町村が毎年課税する固定資産税と違って、不動産を取得した時に一度だけ納める税金(県税)です。

登記簿上の新築日が昭和56年12月31日以前の既存住宅(中古住宅)を取得した場合、耐震基準適合証明書を取得することにより、不動産取得税の軽減を受けることができます。

 

※「耐震基準適合証明書」取得の際、耐震補強工事が必要となる場合がございます。

耐震基準適合証明書